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クレーム対応の実例(ルイ・ヴィトンのコート)

某年12月上旬のこと、襟首まわりが皮脂で汚れたルイ・ヴィトンの紳士コートが工場に持ち込まれてきました。

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見るなり”洗えません”として返品しようと思ったのですが、沢山の競合店がひしめき合っている中で、わざわざ当店にお持ち込みになられたのには理由がある。選んでいただいたお客様の信頼に応えるべきではないか。

それでもインポート品であれば返品していたのですが、わざわざイタリア表示の下に日本表示が縫いつけてあります。3日間ほどこのコートを見て洗い方を考えていたのですが、やっぱりこの日本表示を信じて水洗による手洗いを決行することにしました。

表面は、撥水加工が施されていることが手触りで分かりました。いわゆるゴムびき加工に近いようなゴワゴワした手触りです。当然、中性洗剤で洗った後、タンブラー乾燥をするとこのゴワゴワ感がなくなる(張り・コシがなくなる)ため自然乾燥しました。また、日本表示にも”自然乾燥(タンブラー乾燥禁止)”と記載されています。

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翌日、乾きあがったコートを見てびっくり。ポケット口の生地が縫い合わさって乾きにくい部分が色泣きをしています。

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群馬県でクリーニング業を営んでいる私のシミ抜きの師匠にも相談してみましたが、カスタマーサービスに相談するのがベストではないかとの結論に達しました。

12月15日(土)カスタマーサービスに電話。こちらが業者のためか、一切受け付けようとしてくれません。さんざん粘った結果ようやく、『送ってきて下さい。』との言葉にこぎ着くことができました。

しかし、今度は、『文書での返答は出来ません。口答です。送ってもらっても送り返すだけのことにしかならないと思いますけどね』とのこと。それでも送らない限りことが進まないため、早速文面を書いて翌日の16日(日)に宅急便で発送。

その後連絡がないため12月21日(金)にカスタマーサービスに再度電話をしました。こちらの名前を言うなり、分かっていたみたいで『一つ一つ順番に対応していますので、、、返答は何時になるか分かりません』。年明けになるかどうかというこちらの質問に対しても『分かりません』の一言。

電話を切った後、お客様にも事の経過を報告しました。その際に購入店をお聞きしたところ、大阪心斎橋の直営店で3年前に購入したとのこと。

受け付けた店舗従業員とも相談した結果、カスタマーサービスから送り返してもらったうえで、受け付けた店舗従業員にお客さんのふりをして心斎橋店へ持って行ってもらうことにしました。12月27日(木)心斎橋店へ持って行くと、すんなり、販売価格と消費税を返金するとの回答を得ました。

また、この商品の後から販売されたのものは、ドライも水洗も不可の表示に変えたとのことでした。同じような事故が、他でも発生していることがうかがい知れます。

クレーム対応(注意すべき点と事例)

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